■見習いトレーナーの奮闘記■

【インディアナ編】
#1: オブザベーション

インディアナ州立大学(Indiana State University=ISU)でのアスレティックトレーニングの経験といえばプログラムに入る前の実習=オブザベーションでした。 ATTR273というTherapeutic Modalityのクラスの一部として実際にアスレティックトレーニングルームの中で働いてみるというもの。大学内にあるトレーニングルームと少し離れた所にあるフットボールのスタジアムのトレーニングルームが研修の場として与えられていました。

【キャンパスのトレーニングルーム】

オブザベーション初日は大変緊張してトレーニングルームのドアを開けたのを今でも覚えています。 正規のアスレティックトレーナー(ATC)を筆頭に学生トレーナー(大学生と大学院生)、そして選手達でトレーニングルームは活気にあふれていました。 与えられた時間帯にオブザーバーは約3名。最初はいったい何をすればよいのかも分からず、緊張したまま突っ立っていたようにも思えます。オブザーバーとして出来ることといえばアイスバックを作ったり、アイスカップを使った治療を施したり、その他の治療の準備と後片づけ、ストレッチング、掃除など。今から考えるとオブザーバーのわりに多くのことをやらせてくれたと思います。

最も印象に残っている思い出といえばストレッチングです。私が単なるオブザーバーであったにもかかわらず、私のストレッチングを気に入ってくれて、毎日私にストレッチをしてくれと頼んできた女の子のランナーがいたことです。当時(きっと現在でもそうだと思いますが)プログラムにアタックしようとしていた日本人がかなりいて、その中で私が見聞きしたストレッチをまさに見よう見まねで彼女に施していたのですが、それを彼女が気に入ってくれたようで私がオブザーバーとしてトレーニングルームに入っている時は練習前に「ジュンペイはいるか?」とわざわざ私を探してくれていました。単純にそれは私にとってとてもうれしくもありまた勇気づけてくれたことでした。

【フットボールのトレーニングルーム】

ISUのフットボールチームはそれほど強いと言えないので、必然的に設備もそれなりのものでしかありません。 当然フットボールのトレーニングルームもこぢんまりとしたもので、とても大所帯のチームをまかなえるのか?という感じでした。 もっとも、アラバマ大学のような大きな大学と比べてしまうとISUが可哀相ですが…

私がオブザーバーとして働けたのが丁度シーズン中でした。 ですからゲームにも実際参加して手伝うことが出来ました。 といってもやれることといえばジュースを補充することぐらい。 その頃はまだフットボールのルールすら分からなかった頃でその場に居るという興奮などは全くなかったのですが、 それでも現場に居るという充実感は感じていたように思います。

練習では日ごとに異なった学生トレーナーについて手伝いをします。まだまだ学びたての頃だったので、選手が怪我をしてアスレティックトレーナーがその選手のEvaluationしていても一体何が起こっているかもわからないという状態。 特に私たちオブザーバーがすることもなく、どちらかというとアリーナのトレーニングルームでのオブザベーションのほうがやりがいがあったかな、と思います。

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