■見習いトレーナーの奮闘記■
【アラバマ編】
#6: フットボール部 - インシーズン@
プレシーズンの練習も一段落し、秋学期が始まると練習は午後の練習1本となります。今回は普段の練習の流れを紹介したいと思います。何ゆえ6年近く前のことを思い出しながら書いているのであしからず…。
SATは午後1時にアスレティックトレーニングルーム(以下ATR)に集合です。練習は3時半から4時ごろ始まるので2時間から2時間半前にATRに集まっていることになります。各SATは前述のようにそれぞれ仕事を与えられています。私の仕事はまずある時間に成るまでにロッカールームにスポーツドリンクを用意することです。それが終わった頃に選手がぞろぞろとATRに入ってきます。足首にテーピングを巻くためです。SATにとってテーピングを巻くのは至福のとき(と当時は思っていた)。スカラシッププレーヤー(奨学金を貰いながらプレーする選手達)はスタッフATCがテーピングを施します。Walk-on(スカラシップ無し)の選手達のテーピングがSATの仕事です。SAT用のテーピングテーブルは6台くらいあって、一番入り口に近いほうがシニア(4年生)、そして奥の方に順にジュニア、ソフモア(2年生)と陣を取ります。ただ、その中でもテーピングだけでなく選手の練習前のトリートメントを担当するSATも必要なのです。SATはなるべくテーピングを巻きたいので、そのトリートメント担当をしたがらなかったのを覚えています。
テーピングの後、選手はミーティングがあります。ATRにはしばらく平穏のときが訪れるのですが、その間は生徒に課せられたチェックオフ(実技の宿題のようなもの)をやったり、私の場合はフットボールのルールなどを教わったりしていました。練習開始30分ほど前には練習中に使う水分補給のカートの準備をします。これはモーターによってタンクから水が吹き出る優れもの。インディアナ州立にいた頃は手動のポンプ式のウォーターカートだったのでちょっと驚かされたものです(もっともISUも今では電動式でしょうけれど)。そのほかにボトルも用意します。SATが常に3本ほど携帯して選手達に水分補給するためです。
練習開始時間が近づくと選手達がコンプレックスからフィールドへと出てきます。各々ポジション別に軽いアップをし、その後全体で準備運動です。縦横綺麗に並んで行われる準備運動は圧巻です。準備運動の後選手は各ポジション別に別れて練習が行われます。私が担当したのはアウトサイドラインバッカー。リアクションドリルからタックル、ポジショニングの練習とこなしていきます。アラバマの(そしておそらくどのチームの)練習は時間ごとにきっちりと分かれており、練習の区切りにはマネージャーがホーンを轟かせ、それを合図に選手達はまた別の場所に移動して練習を繰り返すのです。大まかに言うとポジション別から徐々に連係プレーに移り、全体でのオフェンス、ディフェンスを交えた練習、そしてシチュエーションごとの練習(レッドゾーンオフェンス、レッドゾーンディフェンス、2ミニッツドリル等)を行い、最後にスペシャルチームの練習で終了。SATはポジションが移るたびにそのグループについていって選手をケアします。ケアといってもやれることは水分補給、タオル、ストレッチ、簡単な傷の手当て程度でした。大きな怪我はもちろんスタッフATCに任せるわけです。
合同練習が終わってもアンダークラス(1,2年生)やWalk-onの選手達は残って練習しています。数名のSATだけフィールドに残り、あとはATRに戻って片付けや練習後のトリートメントをします。学食の関係もあり選手達は7時半までにはコンプレックスを後にするのでシーズン中には遅くても8時にはATRを出ることができました。
曜日によっても練習内容は多少変わります。私が働いていた当時は土曜日が試合で日曜日はオフ、月曜日は軽い練習、火曜日水曜日で徐々に上げていって木曜日にはかなり試合を考慮した練習。金曜日はショルダーパットなどはつけない流しの練習。そして土曜日に試合。金曜日はSATはオフとなっていました。日曜日はチームはオフですが、選手達のトリートメントのためにSAT2人ずつがローテーションでATRに行くことになっていました。あとは早朝のATRオープニング。氷の確保から掃除、Whirlpoolの準備、そして早朝トリートメント。これもSATがローテーションを組んでやっていました。朝6時にATRに行かなければいけないのですが、朝の弱い私は2,3度遅刻してしまったこともありました。まったく、反省です。
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