ビーニャ・デル・マール -01 (概要) (チリ)
ビーニャ・デル・マール、この地名をご存知の日本人は非常に少ないと思います。手元の世界地図にもこの地名はありませんでした。ビーニャとは「葡萄畑」、マールは「海」ですから「海の葡萄畑」という意味になりますね。南米有数のリゾートであり、バルパライソと併せると人口70万の大都市、特に夏には多くの観光客を集めます。日本人がほとんど居ないリゾートの中では世界最大?ではないでしょうか?
サンティアゴから海岸方向に120キロ、バスで約2時間ほど行くとサンティアゴの人達の保養地で名高い「ビーニャ・デル・マール」に到着します。現地では単にビーニャと呼ばれることが多いようです。太平洋に面したこの地は寒流・フンボルト海流の影響で気温は夏でも高くはありません。
サンティアゴからの行き方:かなり以前にはサンティアゴから鉄道が通じていたようですが、現在はバスで簡単に行けます。地下鉄(ウニベルシダー・サンティアゴ駅)に接続しているバス・ターミナルに行きますと2社が営業してします。緑色の会社(トゥール・バス:こちらの方が安全運転)とオレンジ色の会社です。地下鉄の駅を降りて地上に上がると切符売り場があり、ずらっとカウンターが並んでいます。「全方向」と書いているので「ビーニャ」と言うと、「次ぎは5分後です、どの席が良いですか?」とコンピュータの画面をこちらに示されます、覗くとバス内部の見取り図があり、白が空席であるとのこと、その中で好みの席を選択すると直ぐに発券、コンピュータに接続してるプリンターから切符が出てきました。パラグアイを含めバスの切符を買うときには時間がかかりいらいらすることが多いのですが、チリは非常に効率的で感心しました。
なお、地球の歩き方では、ビーニャではターミナルまで行かず、途中で降りるようにありましたが、ターミナルに行った方が良いでしょう。と言いますのはターミナルには無料の観光相談所があり、そこで無料の市内地図(かなり良いもの)を配布しているからです。また担当者に場所を尋ねるとその地図を用いて丁寧に説明してくれます。これを利用しない手はないと思います。このターミナルは最近完成したもので非常に綺麗で地下は駐車場になっています。
(写真:バスターミナル)
中も非常に綺麗でお土産店、レストランなどがあります。
(写真:バスターミナルの内部)
リゾート地で多くのアパートがありますが、遠方からの観光客は少ないのか余りホテルはありませんでした。一番大きなホテルは「オイギンス・ホテル」、格式は高いそうですが、設備が快適とは行かないようです。
(写真:ホテル・オイギンス)
街には多くの高級アパートが建っています。
(写真:林立するアパート-01)
(写真:林立するアパート-02)
見回してみますと平地だけでは無く、斜面にも多くのアパートが建設されているのが分かります。ここに別荘を持つのはサンティアゴを中心とするチリ人、そしてメンドーサを中心とアルゼンチン人のステータス・シンボルだと思います。
(写真:丘の上のアパート群)
勿論多くの住宅地もあります。海岸に近い地域はリゾート地域として高級な雰囲気になっています。これらの住宅は住んでいる人よりも避暑に来るだけという人が多いように思われます。
(写真:海岸に近いリゾート地域の住宅街)
バスターミナルより更に北側に行きますとごく普通の住宅地になっていました。この街に住んで働いている人達が住んでいる場所ですね。
(写真:街の北側、普通の住宅街)
(写真:市内北部のリゾート住宅街)
住宅街の中には急斜面に家が並んでいる地区もあります。そこでは何と斜面をエレベターで登るようになっています。
(写真:急斜面にはエレベーターで上る)
(写真:斜面の建物)
(写真:ビーニャ駅前の教会)
夏の観光シーズンは特に賑わっています。一番の繁華街は「バルパライソ通り」ここにはレストラン、スーパー、お土産店等がひしめいています。自動車は通行は出来ますが、ほとんど歩行者天国という状態です。
(写真:バルパライソ通りの様子-01)
(写真:バルパライソ通りの様子-02)
(写真:絵画を売っている)
(写真:レストラン-01)
(写真:レストラン-02)
(写真:レストラン-03)
歩き疲れて一休み、街のとあるありふれた一軒の居酒屋に立ち寄りました。昼は軽食も出しているようですが、お昼時のこの時間でも全く人気は無く、ご主人が一人手持ち無沙汰にしていました。冷たいビールで疲れを癒し、座っていると何か100年くらい前にタイムスリップしたような錯覚を感じましたね、時間がゆっくりと経過しているような。このような何気ないどこにでもありふれた場所に南米の良さというのがあるようなそんな気がしますが如何でしょうか?南米を廻る時にはゆっくりのんびりと、余りきっちりとした計画を立てずに旅行するのが良いのかも知れませんね。なお、このご主人の横にワインのような飲み物が大きな瓶に入っているのに気がつき、これは何か尋ねたら説明をしてくれて一杯振舞ってくれました。薬草の香りがするさっぱりとした飲み物でした。
(写真:街の普通の居酒屋)